JPSTSS 一般社団法人 日本脊椎・脊髄手術手技学会

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4th Europe tour report ❷

第4回欧州手術見学ツアーレポート❷
2016年10月2日~10月7日に実施した第4回欧州手術見学ツアーを参加者5名がレポートいたします。

Viennaチーム 品川志匠会病院 梅林 猛

 今回、私は第4回JPATSS欧州手術見学旅行に参加させて頂く機会がありましたので御報告致します。熊野潔会長のもと鹿児島大学 山畑仁志先生、日本赤十字医療センター 河村直洋先生とともにオーストリア、ウィーンにあるOtto Wagner HospitalにIGASS meetigおよびEurospineに先立ち平成28年10月2日に手術見学に行くことができました。以前より当学会にも積極的に参加されているSabitzer先生と熊野先生の友好関係により実現された手術見学であり、非常に友好的で活発的な交流を行うことができました。 Sabitzer先生は以前よりExtra-foraminal LIFの発表をされており彼の得意分野である腰椎固定を2症例見学することができました。手洗い参加もさせて頂きましたので手術のポイントを私なりに紹介致します。 まず一症例目はL3/4, 4/5 変性すべり症で、手術はまずPSを挿入し片側関節を完全に切除した後に硬膜を確認し、その後に椎間板を露出し椎間板最外側を確認しました。椎間板を十分に郭清し、ここまではほぼT-LIF approachでしたがここからがポイントであり、オリジナルのシェーバーを挿入し側面、正面Xp像を確認しトライアルを挿入、ケージ高サイズは7, 9, 11, 13でした。トライアルを挿入し少し椎間腔が広がる程度、ケージが容易に抜けないサイズが良いとのことでした。ケージを挿入し再度Xpを確認し、ミズホ社製フレームを可動させて前弯を形成しました。ただケージがかなり大きくXpにてケージが対側の椎体終板辺縁 Apophyseal ringをかなり超えていたためパラレルリトラクターを使用してdistraction forceをかけケージを再度対側から打ち込む必要があり、適正な位置にケージを移動させ十分にcompression forceをかけロッドを締結しました。Extra-foraminal LIFの大きなポイントは通常のT-LIF approachよりやや外側からかなり大きな前弯のついたケージをいれることが可能であると感じました。Sabizer先生の考案されたケージは確かにLLIFにも劣らない大きなケージであり今までのブーメランケージより大きく沈み込みが少ないとの意見も納得することができました。

梅林 猛

ケージはXLIFにも劣らない大きさ

 二症例目はL4/5固定術後の隣接椎間板障害。同様に片側のみの侵入で正中の棘突起、靭帯は温存してIndirect decompressionを行いさらに侵入側のDirect decompressionも行っていました。大きなケージを入れるため、先にスクリューを挿入してからケージを入れる必要があり独自のパラレルリトラクターを考案されていました。対側や前方にケージが移動しすぎることもあり若干ケージコントロールが難しいかもしれませんが大きなケージを挿入することの重要性がこの手術の醍醐味だと感じました。

梅林 猛

Dr.Sabitzertの手術をアシスト

 手術はテキパキと終了し、夜はウィーンの風土肉料理をご馳走になりました。味は日本でいうおでんの出汁でしゃぶしゃぶを食べるような、説明が悪くて申し訳ありませんがとても美味しかったです。脊椎の話から世界情勢の話、ワインを飲んで私も饒舌になりいつものようにあつく語っていたと思います。

梅林 猛

Viennaの郷土料理店で

 この後、ベルリンに移動しIGASS meeting, シャリテ大学の手術見学と続きましたがこの手術見学旅行でお会いできたました諸先生方、誠にお世話になりました。この貴重な体験を糧に今後の診療にいかしていこうと思います。このような素晴らしい機会を与えて頂きましたJPSTSS学会に深謝申し上げます。

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